自分たちは「よる」という、主に京都、大阪(北摂)を中心に活動しているバンドである。
メンバーは3人編成だが、これがなかなか特殊な構成になっている。
一人はギター&ボーカル、康成。
もう一人はピアノ&ボーカル、tomoco.K。
最後にプログラマー、サウンドデザイナーのヤスダダイスケだ。
そう、ドラムもベースもいない。更にボーカルも男女のツインボーカル。
しかも康成とヤスダは歳は近いが、tomoco.Kは母親と同じくらいの歳とくる。
故にゆったりカフェで聴けそうな音楽でもやっているのかと言うと否で、
それなら別に掃いて捨てるほどいるだろう。
今あるオリジナル楽曲の作詞作曲は全て康成によるものだが、
まず彼は非常に思想家である。
とにかく歌詞の世界観が地上波では無理なものが多い。
しかしその内容は炭鉱のカナリアとでも言おうか、
現代のファッションワードを並べ立てただけのJ-POPとは違う。
(格好良く言ってるけど、要するにクセがスゴい。)
そしてもう一点の我々の大きな特徴が、聴いてもらうのが一番早いんだが、
アコースティックな楽器を使いながら
ドラムとベースを入れずに「ロック」をやっていると言う事。
(康成のギターもYairi特注のアコギ。
余談だがギター好きが見ればそれだけで白飯3杯はいけるだろう。)
ここに、初めに自分たちの事を「特殊な構成」と言った一番の理由があるし、
それ故に自身を「アコースティック・ロック・トリオ」などと言ったりしているのである。
今の音楽はとにかく、ほとんどのものにドラムが入っている。当然ぜんぜん良い。
自分もハードロック、クラブミュージック、ビジュアル系だって大好きだ。
だけど、どれだけアコースティックカラーを全面に打ち出しているアーティスト、楽曲でも、
ライブとなると(てか音源レベルでも多くが)必ずと言っていいほどドラムが使われる。
「イケメンチェリストのデュオ」なんて謳っている外タレを見てもライブではドラムを使用し、
やっと純粋に2本のチェロだけで演奏したかと思えば、
伝説の某オルタナティブロックバンドのカバーだったりする。
で、じゃあ自分たちは「アコースティック」に傾倒しまくって
極端なドラムアレルギーでも起こしてしまっているのかと言うとそういう訳では全くなくって
(てかドラムだってアコースティック楽器だしね)、
ドラム、ベースなしでもそう言った格好良い音楽を実現させてやろう。
っていう事を考えているのである。
つまり自分たちに話を戻してまとめると、我々は
ドラムもベースもいない、そしてそれぞれに役割を持った3人で、
いったいどこまでの事が出来るのだろうかという音楽そのものに対する可能性と、
この稀有なバンドが発信するメッセージがどこまで今の現代社会に届いていくのか。
そんな事に挑戦していると言える。