7月10日練習日~曲をアレンジする、とは

世の中には作曲の本、編曲の本などがたくさん出ている。世の成功本と同じで、それらを読めば優れたスキルが身につくわけでは無いことは誰もが分かっているだろう。(もし本当に身につくのなら、もっと素晴らしい曲が世の中に溢れているだろうから。)



今ずっとずっと自分たちのオリジナル曲のアレンジを続けていて思うことは、

  1. その曲を心から理解する
  2. イメージや発想をたくさん得る
  3. 音楽を組み立てていく
  4. その際には、優れた音を使う


いつも結局は、この流れになっていると思う。

方向性を正確に理解する

「この曲は気持ち悪い世界観でいきたい」といっても、気持ち悪く美しいのか、地の底のようなのか。

「この曲のこの場面はロック色を全面に出したい」と言う意向があったり、「ここは余計な事をせずに無骨に聴かせよう」と言うイメージがあったり。

その曲の持っている性格や歌詞などから、その曲がどうなりたいのか、どうしてやる事がベストなのかの方向性を正確に理解する。

②アイディアを出す

そのイメージが持てて初めてスタートラインに立てると思っている。
そこからどんなアレンジをしていくか。それはふと流れたCMから聴こえてきた一音からヒントを得る時もあるし、繰り返し曲を聴いている時に頭の中に流れてくる事もある。

音色からイメージが出てくる場合もある。シンセリードのイメージだからその音色でいろんなアレンジを考えている時に、試しにMallet系の音色でやってみたら思いのほか悪くなく、何ならそこから全く違うアイディアが出ることも珍しくない。

③組み立てる

アイディアが出たら、全て試していく。残念ながら、頭の中では間違いなくカッコイイだろうと分かっていても何故か実際にやってみるとしっくりこないという事は多い。

自分たちの場合核となるギターとピアノ、ボーカルが存在している所に、実際にはめ込んでいく作業だ。

全体で鳴らしていくと当然いろんなバランス的な意味で干渉するところが出てくる。

ベース部分は初めフレーズを考えていたけど真っ直ぐ打った方が良い、とか、そもそもの音抜けの問題が分かったりとか、全体のバランスの中で鳴らすべき帯域が鳴っていない事が発見されたりと、いろんな問題点が見つかったり発見があったりする。

アレンジ作業を継続しながら並行して、調整を行っているわけである。

④正しい音を使って作業する

そしてそれらの作業は、正しい音で作業しなければならない。例えば音抜けが悪いのにその対策をせず、ボリュームを上げることで対応してしまっていては、その後のアレンジに全てミスリードを起こさせるだろう。

どこの場所(周波数帯域)で、どう言う仕事をさせたいのか。

このことをちゃんと自分が分かっておかないといけない。





順序建てて書き出したが、実際はほぼ全てを同時進行で行っている。

そして一番難しく価値があるのは、やはりアイディアの部分だろう。


例えばこの「危ない前提」のアレンジを考える時、恐らく誰が考えてもテーマとして”大自然”とか”SFっぽい”と言ったイメージは出てこないと思う。
曲の理解に取り組んだ場合、どんな人でも大体大枠からはそれないだろう。



となるとやはり一番センスが問われるのは”味付け”の部分。

これが、何か本を読んで出来る様になるだろうか?!
いろんなジャンルの音楽をたくさん聴き、または様々な文学や絵画に触れ、自分たちの音楽と向き合い続け、心に余裕を持っておく。

これしか無いのではないだろうか。

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