5月18日練習日~非常に重要な「アレンジ哲学」

今日は久々に「人間問題」を聴いた。久々に聴いてもアレンジの面で、割と安定感感じる。
足りていなくて前から入れるべきフレーズを入れた後は、サビのリードフレーズを少し再考した。入ってからの聴こえ方の話で、今やっていることでも概ね大丈夫だと思うのだが、ようは”もっと良くなる”ための試行錯誤。
最終何パターンかレコーディングして、また次は違う曲をやり時間を空けていく。


ところで今日なんかもあったが、「そのサビへの行き方では、その”音”に意識が持って行かれてしまって肝心のサビに入った時に、歌へ集中が向かない」と言った考察の仕方はよくなされる。
折角カッコいい音やフレーズなんかがそう言う議論にかけられると、何でも理詰めじゃなくって直感というか、そのカッコよさにもっともっとストレートに従おうやという気持ちになる。
もっと端的に言うと、何か面倒くさい話やしつまらんし、話の内容も堅苦しいしアートをやっている姿勢とは違う、と思うのだ。

だがそれって別に理詰めで考えているだけではなく、自分のセンス、感性で感じた事を論理的に説明する力があるから結果そういう話になるってのもあるだろう。


では、芸大、音大の人間が作曲編曲する音楽というのはどうだろう?もしくは世にある作曲教本、編曲教本などの知識が完璧に頭に入っている人間だったらどうだろう。

つまり素晴らしい芸術的感性と、その感性を言葉で巧に言い表せられる能力があれば結果論理的な話になるのか、論理的に話ができる=理論や知識が頭に入っている、のだからその人が感じ取るその感じ方は、常に理論センサーに触れながら感じ取っているという事になるのか。その感覚は、最高の芸術的感性というものがあるとして、共存することは実質的に可能なのだろうか?

別の言い方をすれば、「AIは天才が生み出すフレーズを越える事が出来るのだろうか?」と聞いてしまえばそれだけで済むかもしれない。


上手くまとまらないので、ようは、論理的な話ってのは「確かにそう」と思えるんだが、いやでもこのアレンジはどう聴いてもカッコいいだろう、と感じるその感覚とにズレが在った時の、自分の中での処理の仕方が整理されていないのだろう。

そして、”論理的にこちらの方が問題が少ない”という案は、カッコ良さで劣るケースが多いように感じる。それって、デザイン性と機能性の関係とも見れるか。
では一度、生活に使う道具や服と言った、そういう観点に置き換えやすいものに変換して考えてみよう。




機能的でもないし、デザインも良くない          →   ×
めっちゃ使いやすいor着やすい、でもダサい        →   人による
使いにくいし不便orみてくれだけで寒い服、でも格好良い  →   人による
使いやすいor着やすい、デザインもイケている       →   ○



上の様な例えで考えてみた時に、自分の感覚に当てはめて考えてみると、例えばデザインの良いヤカンを買ったことがある。けれど、洗いにくかった。結果的にあまり使わなかったり、洗いにくいからあまり洗わない結果、汚れていった。

アルファロメオに乗っていた時、デザイン性重視のアルファロメオはインパネのボタンがよく分からず、殆ど使わなかった(使い方が分からなかった)。また、整備士は頻繁に苦労していた。けれど、”アルファロメオに乗っている”という充実感だけは得られる(出先で用事を済ませて車へ戻ってきた時など)。


その他服などでもそうだけど、デザイン重視で選んだ物って結局あまり使わなかったりする事が多い。だって使いにくいから。もしくは飽きたり、好みが変わって他の物と合わなくなったり。
それでも使う場合、身につける場合と言うのは、明らかにそれによって他人からの評価が得られる場合、その場合は不便さに耐えられる事が多い。




「格好良い音」と感じているものがデザイン性、音楽理論が機能性と置き換えてみる。

デザインを優先した時に得られる他人からの評価、不確実性が高すぎる。自分たちが「間違いなく格好良い」と言ったものが、万人に受け入れられる事は絶対にない。
また”格好良い”と言う感覚は、時代によって、年齢によって、性別によって、そういった様々なファクターによって変化し続ける可能性が非常に高い。




もうこの時点でほぼ結論づけて良いと思っているが、よってデザイン性にウェイトを持って行くことはリスキーである。
まず大前提は、理論的に間違っていないこと。そして構造的におかしくない事。大事なものに正しく優先順位を付けられている事。それらが間違いなく守られている上で、どこまでデザイン性を高みに持っていくことが出来るか。

家電で言えば、何よりもまずは安全かどうか、だろう。



以上により、しっくりきました。
ヤスダダイスケのアレンジ哲学、一旦今日はここでおしまい。

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