康成との出会い

2015年の7月だったと思う。知り合いから、ライブハウスのイベントで一日だけスタッフが足りない日があるから、その日だけ入ってくれないかと頼まれた。

ブルーアイズだった。

たまたま予定が空いていたのでOKした。ブルーアイズへは、シンセ系のイベントか何かで1、2回くらいは行った事があっただろうか?まあ行っていたとしてもその程度だ。


当日ブルーアイズへ入ると、同じ年くらいかもしかすると学生?みたいなスタッフの人が一人いた。それが康成だった。お互い、ヘルプで来ていたのだった。

僕がチケットのモギリと、ドリンクで主にビールが入ったら後ろの冷蔵庫から取り出して康成に渡した。
それ以外のドリンクは康成がカウンターで作った。

後は証明のON/OFFくらい。その日の仕事といえばその程度だった。


イベントが終わり、日払いの給料をもらって帰った。
その日は自転車を使わずバスだったのでバス停へ向かったのだが、そこで康成もバスを待っていたので、同じバスで帰ることになった。

今思えばお互いバスなんてまず乗らないし、ましてや2人で乗ったことなどその後ない。

帰りのバスの中で何を話していただろうか。どちらも音楽をやっている、みたいな話にはなったのだろうが、後日改めて会って喋りましょうかという流れになった。


翌日か翌々日、確か天Qを指定されて向かったと思う。しかし開いていなかったか、開いていたけれど何の営業もしていなかったかで、その後近くのコープの中に併設している喫茶店と、そのまた近くの変にオシャレな感じの喫茶店をはしごした。

ここでも何を話したかあまり覚えていないが、自分のことなどを結構掘り下げて話したような記憶がある。
そして恐らくこの日に、康成&tomoco.Kのアルバムを受け取り、僕は自分のyoutubeに上げている曲のURLを送っていたのだろう。


そして更にその数日後、また出かけることになる。
たしかその日はよく晴れていて、近くのコンビニまで今は亡きアトレー先生で迎えに来てくれた。
そこから京北の道の駅”ウッディー”へ向かい、施設の奥のテラスで話している中で康成とtomoco.Kの音楽に誘われたというわけだ。


もらったアルバムの感想は、特に何とも思っていなかった。自分はどちらかと言うとゴリゴリのテクノやIDMに傾倒しまくっていたし、自身のルーツを辿ってもハードロックとクラシックだし、引っかかる要素はなかった。

だけどなんだろうね。振り返ってみると、パッと見イケてるバンドなどから誘われた事もあったが、断るものは断ってきた。面白そうな企画だなって今から思えば感じるものでも、乗らなかったものもある。

そう考えてみると、音楽にではなく、その彼自身に乗ってみようと思ったのかもしれないね。


その後2人ともイベントの助っ人に行ったこともないし、康成がバスに乗っている所を見た事も聞いた事もない。

そして何より今になって思うことは、よく”あの康成”が自分のユニットにメンバーを加えたなと言う事。いつかブルーアイズのオーナーのボスも言っていたが。


別に無名だが、大きな出来事だと言えるだろう。その期待にはやはりもっと答えなければならないし、同時に一緒にやってみようとその時決めた自分に対しての責任も、きちんと果たさなければならないと思う。

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